終わらない日常

時計をちらっと見る。8時35分。今日もいつも通りの時間。
そう思いながら7番線のホームへと向かう階段を上った。
そこにはいつも通りのワンマン電車が1両停まっている。
通常、通勤で混雑する電車とは逆方向なので
乗客は少なく席にも余裕で座れる。
空いている席に腰をおろし、廻りを見渡してみる。
いつもと同じ顔ぶれだ。人数も少ないので顔も覚えている。

ん?

なんだ?
なにかが違う。
なんだろう、なにか違和感を感じる。
でもなにが違うのかわからない。
もう一度注意深く廻りを見渡してみる。

おなじみの若いサラリーマン。
たまに見る女子高生。
いつも同じ所に座っているおばさん。
20代半ばくらいの女の子。いつも乗っている。仕事に行くのだろう。
温泉にでもいくのだろうか、おばあちゃんに近い感じの3人組。
やっぱりなにも変わらない。いつも通りだ。

考えていると、時間になり、電車が動き出した。
おかしい、やっぱりなにか違う。
なんだかとても居心地が悪い。
見られてる?
こっちが見ると目をそらすような素振りに見える。
あ、ちんこ出てた。